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“Effects of Syntactic Constituency on Phonology and Phonetics of Tone” Digital Archive (ECPPT)

投稿日:2021.05.17

品川大輔、李勝勲

https://ecppt.aa-ken.jp/

This archive is a collection of text, audio, and plots of data from four typologically diverse languages: Basque, Irish, Luganda and Xitsonga. The dataset is based on sentences collected as part of a National Science Foundation project from 2012 to 2016. This project investigated the question of just how the syntactic structure of a sentence can affect its pronunciation.

※情報資源利用研究センター(IRC)プロジェクトの成果として公開しています。

 

情報資源利用研究センターウェブサイトのトピックス記事でも取り上げられていますので、以下に転載します。


本プロジェクトは、文の統語構成が発音にどのような影響を与えうるかの解明を目的とする2020年度IRCプロジェクトです。プロジェクトの研究成果として2021年3月にオンラインリソース「「声調の音韻と音声に対する統語構成の効果(ECPPT)」デジタルアーカイブ」を公開しました。このリソースは、類型論的に多様な4つの言語(バスク語、ツォンガ語、ガンダ語、アイルランド語)のテキストや音声データと、それらのデータを音声分析プログラムにかけて生成された結果のコレクションです。

バスク語は、スペインおよびフランスのバスク地方で53万人の人々に話されています。ツォンガ語はアフリカ南部で話されるバントゥ系の言語で、南アフリカでは228万人の人々によって話されています。ガンダ語はウガンダで話されているバントゥ諸語のひとつで、556万人の人々によって話されています。アイルランド語は、アイルランドのゲールタハト(アイルランド語が日常的に話される地域)を中心に14万人ほどの人によって話されています。

これらの言語において、文の統語構成と声調の分布の間には何らかの関連があると考えられています。例えば、句単位の構成素の左端や右端の位置を決める場合に、声調やその他の音韻論的な現象(句の端における声調の挿入や、最後尾から2番目の母音の延長など)が指標となります。また、これらの言語では、より大きな節レベルの構成素に関連する音韻的な効果があることも知られています。つまり、これらの言語における文の発音データは、どのような種類の統語的な句や節が音韻論的な「ドメイン」としてみなせるかを明らかにできる可能性があるのです。

(文責:品川大輔・安達真弓)

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