プロジェクト概要Our Project 「LingDy3(リンディ・スリー)」について
「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築」
Linguistic Dynamics Science 3 (LingDy3)
AA研基幹研究「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築」(2016~2021年度)は、アジア・アフリカ地域を中心に、研究機関だけでなく現地の少数言語・方言コミュニティとも連携することで、コミュニティが言語・文化の多様性を保持するために、自ら言語記録活動に関与し、その活動を通じて諸研究機関のさらなる研究の進展を促す循環型の言語研究体制を構築することを目的としています。また、言語資源をもとにした共同研究活動などを通じて、AA研がこれまで培ってきた研究実績を日本社会に還元することをめざしています。具体的には、以下の諸事業を統合的に実施することにより、調和のとれた多言語・多文化共生社会の実現を支援します。
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言語の記録・保存に関する共同研究
現地調査を通じて現代世界における少数言語の状況を把握し、話者コミュニティと研究者との協働による言語記録を目的とした共同研究を展開します。また、これまで記録・保存されてきた言語資料を活用した言語研究のあり方を探ります。
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言語記録活動に従事する次世代の研究者・
現地コミュニティ人材の育成国内・海外の研究機関、および話者コミュニティとの三者間連携により、若手研究者のみならずコミュニティ内で自ら言語の記録・保存活動に携わる人材を育成していきます。
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循環型の言語研究体制を支える技術開発
ここ数年、言語の記録・保存に関するツールの進化には目覚ましいものがありますが、より効率のよい記録活動を支援するための規格化やツール開発をおこないます。
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言語資源の効果的な蓄積・利用のための
ネットワーク構築研究者や研究機関が言語資源としてアーカイブした言語資料をより有効に活用するために、アジア・アフリカ地域の研究機関との連携のもと、各地のアーカイブをつなぐハブを形成します。
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現地コミュニティに向けたアウトリーチ
言語の再活性化のために必要なマルチメディア教材を現地コミュニティとの協働によって開発し、それを用いた教育に活用します。
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循環型の言語研究体制モデルの普及と成果発信
最終的に話者コミュニティが自ら言語の記録・保存活動に携わることができるよう、コミュニティのニーズに対応した言語記録の技術を提供します。また本プロジェクトの成果を国内外に発信するとともに、一般社会を対象に多言語共生社会の現状について積極的に情報発信していきます。