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ヤク絵合せカード

投稿日:2019.09.17

海老原志穂

アムド・チベット語の民俗語彙に関わる言語記述の成果を現地に還元する活動の一環として、遊びながらヤクの外貌表現が学べる「ヤク絵合せカード」が製作されました (2019年3月30日)。

製作を企画した海老原氏は、本プロジェクト (LingDy3) の前身となるLingDyプロジェクト (LingDy2) の機関研究員を2013年11月–2016年3月の期間つとめた他、AA研共同利用・共同研究課題「“人間―家畜―環境をめぐるミクロ連環系の科学”の構築 ~青海チベットにおける牧畜語彙収集からのアプローチ」(2014–2016) 及び、「青海チベット牧畜民の伝統文化とその変容~ドキュメンタリー言語学の手法に基づいて~」(2017–2019) に共同研究員として参加し、『チベット牧畜文化辞典』の編集に関わってきました。また、単著『アムド・チベット語文法』(ひつじ書房、2019年)を刊行するなど、アムド・チベット語の記述研究を2003年より継続的に行っています。

ヤクという動物は、チベットの牧畜文化を支える重要な家畜です。一つの家庭でも、100頭以上のヤクを飼っていることもあります。同言語の記述研究を行う中で、チベット人たちがヤクを管理するために、角の有無や形状、毛色や模様などによって呼び分けていることを知り、ヤクの呼称についての記述も行いました。

この絵合せカードは、都会に住む子供たちにも牧畜の文化を伝えたいという現地からニーズにこたえ、牧畜に関する語彙収集の成果の一部をチベットの言語・文化教育に役立てるために企画されたものです。

 

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