活動Activities

開催日:2021.01.23[土]

研究会・シンポジウム / リンディフォーラム
終了

リンディフォーラム:日本におけるベトナム語研究の今/第1回ベトナム語研究会

投稿日:2020.12.23

*本イベントは終了しました

日時

2021年1月23日(土)14:00–17:00

開催形態・場所

Zoom によるオンライン開催

プログラム

1月23日(土)

14:00–14:10
安達真弓(AA研所員)
趣旨説明

14:10–14:40
山岡翔(京都大学大学院/日本学術振興会)
「ベトナム語北部方言における単音節実験音韻論」
ベトナム語は(形態)音韻現象にきわめて乏しい孤立語であり、音素の策定や素性の割当など音韻分析の初歩において問題をかかえる言語である。それが災いしてか、ベトナム語は音韻諸理論の発展の恩恵を長らく受けられずにいたように思われる。その代わり、ベトナム語は孤立語のなかでも音節の独立性がとくに高く、音節単位での音声データ収集に長けている。また近年の音声実験機器類の測定精度向上/低コスト化/ポータブル化により、音声を細かく実験的に考察することは容易になりつつある。そこで本発表では北部方言を例に、音節単位の音声実験データから音韻情報にアプローチする可能性について述べる。

14:40-15:10
安達真弓(AA研所員)
「ベトナム語における指示詞・文末詞・感動詞の境界」
ベトナム語には、đâynàyđấy(/đó), ấy (/ý), kia(/), kìaといった、指示詞と同形の文末詞及び感動詞が存在する。その分類基準としては、文中における出現位置や独立性、ジェスチャーの付随などが挙げられる。しかし、その形式が文末に出現した際には、品詞分類に困難が生じることがある。本発表では、1. kia kìaなどの指示詞の複合形式の後部要素と、2. kìaなどの感動詞の文末用法の2つのケースを取り上げて、それらの形式が指示詞としての現場指示機能をどの程度保持しているかに着目しつつ、統一的な品詞分類を試みる。

15:20-15:50
鷲澤拓也(神田外語大学)
「ベトナム語の所有と名詞化の表現方法の変遷」
現代ベトナム語では所有を của で、名詞化を sự でそれぞれ表すことができるが、これらは19世紀末以降に確立するようになった表現であり、それ以前のベトナム語には所有や名詞化が特定の文法機能語で表されなかった。一方で16世紀の漢文と古ベトナム語(チュノム)の対訳資料では、「A 之 B」を “蒸(chưng) B A” 等と訳したり、「其 X」を「所(thửa) X」 と訳したりと、現代と相当に異なる語法が見られる。本発表では、ベトナム語の歴史における所有や名詞化の表現方法と、関連する前述の文法機能語の用法の変遷、およびその要因について、これまでの研究でわかったことをまとめ、考察し、今後の研究の展望を示す。

15:50-16:10
佐藤章太(東京大学大学院)
「音の繰り返しを含む2音節漢越語の意味変化」
ベトナムしを、叙情的叙景的意味を持つ物が多い。体系的な漢越音によって読まれる漢越語のうち2音節のものには、2つの音節が全く同じのもの、末子音や声調のみが変わるもの、頭子音や韻が繰り返されるものなどがある。これらのものの中には、意味変化が生じているものもある。本研究ではこのような音の繰り返しを含む2音節漢越語の意味変化を、漢越語がベトナム語固有の言語的特徴の影響を受けている例の一つとして捉え、具体的な例を考察する。

16:10-16:40
近藤美佳(大阪大学)
「在日ベトナム人年少者のための継承ベトナム語カリキュラム実践の試み」
在留外国人の増加に伴い、日本の学校に通う外国にルーツを持つ子どもも年々増加している。近年、彼らの母語(継承語)母文化を尊重するための取り組みとして、母語・継承語学習支援を行う公立学校も増えてきているが、母語・継承語教育は、カリキュラムも教材も専門の教師も不在のまま行われているのが現状である。そこで、先陣を切った複数の学校における取り組みを集約し、在日べトナム人子弟のための学習カリキュラムの敲き台を作成した。本発表では、作成したカリキュラムに沿った学習の実践例を紹介しつつ、日本人ベトナム語研究者として彼らのためにできることを考えたい

16:40-17:00
全体討論
コメンテーター:春日淳(神田外語大学)、清水政明(大阪大学)

使用言語

日本語

参加費

無料

事前申込

参加には申し込みが必要です。以下のフォームよりお申し込みください。

主催

  • 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 基幹研究「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築(LingDy3)」

お申し込み

招待メールを送る必要があるため、 1月22日(金)正午までに、下記お申し込みフォームよりお申し込みください(応募状況によっては早期満了とさせて頂く場合があります)。
招待メールは開始1時間前までに参加者にお送りいたします。

*今回のイベントをどこ・何で知りましたか? よろしければ「その他」の欄にご記入ください。

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