DocLing 2015: Documentary Linguistics Workshop focusing on working with native speaker linguists and resource development.

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投稿日：2015.02.23

本ワークショップは、消滅の危機に瀕した言語の記録・保存（ドキュメンテーション・アーカイヴィング）の方法論を講義と実習を通して学ぶものです。

「言語ドキュメンテーション研究」は、個別の言語に関して、長期間にわたって幅広い範囲の活動に活用することができる記録（一次データ）を体系的、包括的に蓄積することを目的とします。従来の記述研究と大きく異なるのは、一次データ自体に関心の中心が置かれる点です。フィールドワークで得られた録音やビデオなどの記録（一次データ）は、狭い意味での言語学研究だけでなく、様々な分野の研究や言語再活性化活動などに活用することが可能なリソースとしての価値を持っています。このワークショップでは、その一次データの価値に注目し、その価値を高めるためにデータの質、保存性、活用しやすさをどのように向上させるかを課題として考えます。

今回は以下のような内容を学ぶ予定です。

言語ドキュメンテーション（Language Documentation）とは何か
言語アーカイヴィング（Language Archiving）とは何か
より高品質な録音・撮影をするための方法論、機材（マイク・レコーダー・ビデオカメラ）の選定、その他のノウハウ
調査データ（音声・動画・テキスト）のマネージメント（処理・加工・メタデータの整備）
調査データの多目的利用
言語アーカイヴィングのプロセスの実際
言語ドキュメンテーションにおける写真の役割
フィールド調査に関わる諸問題
会話のドキュメンテーション

日時

2015年2月17日（火）～2月23日（月）10:00–17:00

場所

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

講師

Peter Austin（ロンドン大学SOAS）
David Nathan（オックスフォード大学EWA）
Anthony Jukes（ラトローブ大学CRLD）
Sonja Riesberg（ケルン大学）
中山俊秀（東京外国語大学AA研）
澤田英夫（東京外国語大学AA研）

母語話者コンサルタント

David Sangdong [speaker of Rawang (Myanmar)], SIL international
Arzhaana Syuryun [speaker of Tuvan (Russia)], Russian Academy of Sciences
Deisyi Batunan [speaker of Talaud (Indonesia)], Manado State University
Antonio Soares [speaker of Makasae (Indonesia)], Udayana State University

プログラム

全日10時から17時まで開催予定です。
また、21日（土）の講義後にフォローアップミーティング、および懇親会を予定しています。

	10:00-13:00		14:00-17:00		17:10-
2/17（火）	導入：言語ドキュメンテーションとは？ (PA)	フィールドワークの技術とエリシテーション（データを引き出すこと）(SR)	言語ドキュメンテーションにおける倫理 (PA)	ドキュメンテーションの成果 (DN & AJ)	個別PCおよびソフトウェアの準備
2/18（水）	会話のドキュメンテーションとその他のジャンル (TN, AJ)	言語ドキュメンテーションの計画とグループプロジェクト (AJ, SR, DN)	グループワーク：プロジェクトの計画 (groups, staff)	グループワーク：報告とフィードバック (groups, staff)
2/19（木）	録音 (DN)	ドキュメンテーションのためのソフトウェア (PA)	【パラレル】 (1)録音実習 (AJ) (2)ソフトウェア実習 (SR)	【パラレル】 (1)ソフトウェア実習 (SR) (2)録音実習 (AJ)
2/20（金）	データの管理 (DN)	データ実習 (DN & PA)	グループワーク：コンサルタントとの録音実習 (groups, staff)
2/21（土）	ドキュメンテーションのための写真 (HS)	【選択】 (1)メタデータのための高度なソフトウェア (SR) (2)ウェブ配信 (DN)	グループワーク：プロジェクト作業 (groups, staff)	グループワーク：プロジェクト作業 (groups, staff) / 個別カウンセリング	フォローアップミーティング (〜18:40) 懇親会 (18:40〜20:15)
2/23（月）	グループワーク：プロジェクト作業 (groups, staff) / 個別カウンセリング	グループワーク：プロジェクトの仕上げ (groups, staff)	グループプロジェクト成果発表 (all)	グループプロジェクト成果発表［続き］と総括 (all)

PA:Peter Austin, DN:David Nathan, AJ:Anthony Jukes, SR:Sonja Riesberg, TN:Toshihide Nakayama, HS:Hideo Sawada

参加される方へ

プログラムは全日程参加を原則とします（終了後には修了証も授与されます）が、一部都合により出席できないという方は lingdy-office@aacore.net までご相談下さい。
使用するPCはWindowsを推奨します。また、実習では録音機器も用います。
初日17日（火）は9時30分にAA研（アジア・アフリカ言語文化研究所）に集合です。アクセスはこちらを参照してください。
事前に読んでおくべき文献リストはこちらを参照してください。