活動Activities
開催日:2021.07.11[日]
リンディフォーラム:ベトナム語学の広がり/第2回ベトナム語研究会
*本イベントは終了しました。
日時
2021年7月11日(日)14:00–16:15
開催形態・場所
Zoom によるオンライン開催
プログラム
7月11日(日)
14:00–14:10
安達真弓(AA研所員)
趣旨説明
14:10–14:40
ファム・ティ・タイン・タオ(東京外国語大学大学院)
「ベトナム語の “lên” と日本語の「上げる/上がる」との対照−補助動詞の観点から−」
補助動詞として機能しているベトナム語 “lên”はđứng lên「立ち上がる」のように「上昇の移動」という位置変化を表す基本的な意味以外に、đặt lên bàn「机に置く」やlớn lên「大きくなる」のように、物の表面に作用を及ぼすという意味や、事象の状態変化を表す意味などまでに拡張されている。本研究は本動詞に後置する “lên” の意味用法を考察し、日本語の複合動詞の構造で補助的機能を持っている「上げる/上がる」と比較し、両言語におけるUPの意味用法の拡張過程を観察するものである。考察結果としては、「上昇の意味」という位置変化の用法には、対応表現が見られるが、拡張化された状態変化のような意味には、対応表現が見られない。言い換えれば、両言語におけるUPの意味用法の拡張過程が異なるということが分かった。
14:45–15:15
平野綾香(大阪大学)
「ヌン語(ランソン省チャンディン県方言)の類似並列表現」
要素間の関係を表す標識を介在せずに、互いに関連がある2つの単位が並列されることによって作られる類似並列表現は、東南アジアの諸言語で多く見られる。ヌン語でも、ɬɯ5 kʰwa3(ɬɯ5:服+kʰwa3:ズボン=衣服一般)や、kʰaj1 ɬɯ6(kʰaj1:売る+ɬɯ6:買う=売買する)のように、類似並列表現は数多く観察される。本発表では、ランソン省チャンディン県でのフィールドワークのデータをもとに、ヌン語に見られる類似並列表現について、具体例を示しながらその特徴をみていく。
15:20-15:50
タン・ティ・ミ・ビン(ハロン大学)
「在日ベトナム人家庭における母語・継承語教育―母語・継承語を保持している事例を中心に」
日本の学校に通うベトナムにルーツを持つ子弟は、在日ベトナム人の増加にともなって年々増加している。その中には、学校において日本語や教科科目を学習しながら、家庭においてベトナム語を母語・継承語として使用し、聴解・会話能力に加え、読解・作文の面でも日本語とベトナム語のバイリンガルとなっている子弟も見かけられる。発表者の行った調査の結果、そのような家庭においては、両親が母語・継承語の保持について強く意識しながらベトナム語の使用管理を行い、自ら作成した学習カリキュラムに沿ってベトナム語教育を行っていることが観察された。本発表では、このような事例について扱いながら、家庭における母語・継承語としてベトナム語教育の実践や効果を考察し、日本に居住しているベトナム人子弟に対する今後のバイリンガル教育のあり方について考えたい。
15:55–16:15
全体討論
使用言語
日本語
参加費
無料
事前申込
参加には申し込みが必要です。以下のフォームよりお申し込みください。
主催
- 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 基幹研究「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築(LingDy3)」
お申し込み
招待メールを送る必要があるため、 7月8日(木)正午までに、下記お申し込みフォームよりお申し込みください(応募状況によっては早期満了とさせて頂く場合があります)。
招待メールは7月8日(木)午後に参加者にお送りいたします。もし7月8日(木)中に届かなかった場合は、7月9日(金)に上記問い合わせ先までご連絡ください。