2018年7月7日に沖縄国際大学で開催された沖縄言語文化研究センターの総会において、LingDy3プロジェクトのメンバー、青井隼人が2018年度仲宗根政善研究奨励賞を受賞しました。
選考理由 および 本受賞に関連する論文は以下の通りです。
選考理由(抜粋)
今回提出された論文は、いずれも査読誌に掲載されたものであり、研究の内容も手堅く、受賞に相応しいものと判断されます。 これらの論文以外にも、久高島方言の舌先の子音に関する共著論文、奄美大島の中舌母音に関する共著論文などがあり、いずれも青井氏の主導による器械音声学的手法による手堅い研究です。
青井氏は正確な調音音声学の知識やノウハウがあり、加えて実験音韻論的な手続きも専門としており琉球語研究がより高度で客観的な段階に進んでいく上で欠かせないものです。 青井氏が今後の琉球語研究の発展に欠かせない人材であり、今後、この分野での研究の進展に貢献が期待されます。
(中略)
青井氏は Ladefoged や Catford、Pike や Chiba などの海外の研究にも目を通して広い視野から琉球諸語の研究に取り組んでいることも評価されます。 今後は琉球諸語の音声に関する成果を英語で発信し、琉球諸語研究の国際化に貢献することも期待したいところです。近年注目される琉球諸語のアクセント研究についても上野、松森、五十嵐などのベテラン、中堅の研究者とともに琉球諸語アクセント研究への貢献が期待されるところです。以上、青井氏の緻密な音韻研究は、仲宗根政善研究奨励金贈与の対象者として、相応しいと判断いたします。
関連論文
- 青井隼人 (2012)「南琉球宮古方言の音韻構造」『コーパスに基づく言語学教育研究報告』8
- 青井隼人 (2012)「宮古多良間方言における「中舌母音」の音声的解釈」『言語研究』142
- AOI, Hayato and Yuto Niinaga (2013) The Central High Vowels in Ryukyuan Languages: A Comparative Palatographic Study of Yuwan Amami and Tarama Miyako, Journal of Okinawan Studies 4(1)
- 青井隼人 (2016)「南琉球宮古多良間方言の三型アクセント:その特徴と型の中和」『音声研究』20(3)
- 青井隼人 (2018)「南琉球宮古多良間方言におけるピッチ上昇ー複数の韻律句が連続する場合のピッチパターンの記述ー」『国立国語研究所論集』14
※本学ホームページにも記事が掲載されました。こちらもあわせてご覧ください。(2018年11月8日追記)
- 青井隼人AA研特任研究員が仲宗根政善研究奨励賞を受賞
http://www.tufs.ac.jp/NEWS/research/181107_1.html
(2018年10月29日 記事公開)